遠い記憶
誰と見に行ったかも覚えてなくて、あらすじもほとんど覚えてない映画を久々に見た。
きっとこれはどこかの映画館で誰か女の子とみたはずなんだけど、結局僕の記憶力なんてこんなものか。
僕が今幸せかどうか聞かれたら素直にYESと答えられない。
きっと未来の僕が今の僕にYESと言うことはできると思うけど、今の僕は今の僕をなにも理解していない。
昔からそうなのかもしれないけど、何か問題があると遠回りしたり逃げ出したりするのが僕の悪いくせだと思う。
そして好きだと思っている音楽やスケートに逃げているのかもしれない。
むかし、劇かテレビか何かで自分より年上の女性の役の人に
「嫌いなことから逃げてるだけなんじゃない?」と言う台詞を言われたことがある。
僕は当時この意味を良く理解できずにただただ台詞を読んでいた。
でも今の僕には少しだけでもわかる。
もしかしたらそうかもしれない。
スケートや音楽、はたまたそのとき恋をしている女性に逃げているのかもしれない。
恋というのも実際に手に取ったり見えたりするものではなくて、その時の何かわからないものに惹かれたり巻かれたりして始まる。
例えば、外見。優しさ。笑うタイミング。
話と話の間に愛を見つけることだってある。
長く付き合うことだってある。
愛し合うことだってある。
恋愛の情。
これは愛してるから一緒にいるのか、一緒にいるから愛してるのか。
心の隅で体が跳ねるようなトキメキを求めている自分がいる。
その横でそっといつまでものんびり暮らしたい自分もいる。
何周もしていると思うんだ。
僕の人生というのは。
きっと何年か前の君ならこういうと思う。
きっと何年か後の君はこういうと思う。
きっと君もこう思っていただろう。
きっと今の僕も同じことを繰り返すだろう。